課題解決!環境に配慮、人体に影響がない洗浄剤を導入できたその理由
事例概要
お客様
日系ステンレス部品加工メーカー(タイ)
事業
洗浄プロセス事業
導入ソリューション・製品
- 洗浄剤:J CLEAN D(炭化水素性洗剤/臭気少、高品質、低価格)
- 洗浄機:クリンビー社製洗浄機
- その他:植物性由来の加工油→鉱物性由来の加工油へ変更を含めた、製造および洗浄プロセスの変更
今回ご紹介するのは、海外に製造拠点を持つ日系ステンレス部品加工メーカーの事例です。
こちらの工場は、製造部品の洗浄工程で、「発がん性が疑われる」洗浄剤を使用せざるを得ないことが課題でした。そこで、当社が提案するソリューションを採用した結果、長年の課題をようやく解決。
一体どのように課題を解決したのでしょうか。洗浄工程における、洗浄作業員の健康被害にかかわる問題。 実はそこに、従来の慣習にとらわれない、新しいアプローチへの試みがありました。
導入前の背景・課題と導入後の効果
背景・課題
- 洗浄工程で発がん性が疑われる洗浄剤を長年使用しており、洗浄作業員の人体への影響が懸念され、労働環境の整備が遅れていた
- 万一、現地の洗浄作業員の健康被害が発生したら、企業としてのリスクマネジメントにも影響がある
- とはいえ、加工部品の洗浄性(洗浄できるかどうか)を優先し、人体、環境問題への対応がうまくできない状況だった
効果
- 発がん性の疑いがある洗浄剤を使用することなく洗浄できるようになった
- 洗浄作業員の人体へ影響がない(リスクフリー)、環境にやさしい生産現場が実現できた
- SDGs活動に取り組む工場のあり方を体現できた
課題解決までの道のり
背景・課題
当工場では、以前からステンレスを筒状の形状にするプレス加工工程で 、金型および加工機に、植物由来の特殊な加工油を使用していました。
特殊な加工油は一般に流通するような人体に影響のない(環境にやさしい)洗浄剤では洗浄できません。そのため洗浄工程では止む無く洗浄性を優先して、発がん性が疑われる洗浄剤を使用していました。
その一方で、環境問題への意識の高まり、洗浄作業員の人体への影響を配慮すると、発がん性が疑われる洗浄剤を使用した洗浄工程の見直しがどうしても必要な状況でした。
提案
製品加工の工程で使用する「植物由来の特殊な加工油」の使用から見直し、具体的には植物由来の加工油から鉱物由来(灯油)の加工油へ変更を提案しました。
試験を繰り返し、鉱物由来(灯油)の加工油でも部品加工に成功。この結果、洗浄工程で使用する洗浄剤を、発がん性が疑われる洗浄剤からJ CLEAN D(炭化水素性洗剤/臭気少、高品質、低価格)への切り替えが可能となりました。
こうして環境にやさしい、人体に影響のない洗浄プロセスが実現しました。
課題解決に向けたポイント
従来の製品加工の工程で植物性の油を使うことは半ば慣習化されていました。その前提を変更するアプローチは今まで検討されず、従来は発がん性の疑われる洗浄剤をいかに回避するか、洗浄剤の代替案を中心に模索していたのです。
そこで当社は、課題解決のボトルネックは洗浄工程ではなく、前工程の加工工程と判断。洗浄剤の見直しと同時に、製品加工時に使用する植物由来の加工油を切り替えることで、(洗浄工程だけではなく)加工工程を見直す提案を行いました。
海外拠点の課題解決として、当社の強みは以下の通りです。
- 現地からの洗浄機、洗浄剤の提供(現地調達、現地手配)
- 現地のナショナルスタッフ(洗浄機、洗浄剤、洗浄プロセスへの理解、経験、知見)による引き出しの多い対応力
- 現地からのアフターサービス
商材・設備のモノ売りだけではなく、洗浄プロセス全体に精通する洗浄のスペシャリスト集団として、当社の経験・知見を活かしたソリューションの提案が、課題解決につながりました。
評価いただいたポイント
- 洗浄剤変更後も、洗浄性、乾燥性に問題無し(従来の洗浄クオリティを担保)
- 発がん性が疑われる洗浄剤を回避できて、非常に満足
- 洗浄剤の代替提案の前に、加工工程で使用する加工油の(他社様にはない)変更提案が良かった
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この製品を扱う事業
洗浄プロセス事業
30年以上の実績と経験。お客様の「洗浄工程で起こる様々なニーズやトラブル」を解決します。