SMT現場カイゼンの鍵は“トリプル0”!スマートリールラックで「ミス“0”、ロス“0”、ギャップ“0”」はどのように実現されたのか
今回ご紹介するのは、「品質は上流より造りこむ!」をモットーに60年以上にわたる豊富な経験と高い技術力を持ち、福島県に本社を構える特殊精機株式会社様の事例です。
高密度・高精度なSMT実装〜完成までを手がける特殊精機様の那須工場では、在庫管理システムの導入などIT化を進めることで、積極的に作業効率の改善に取り組まれていました。
そんな中、さらなる作業効率UPを目指してリールラック(収納棚) の改善を検討されていたそうです。
本ページでは、①上記状況においてスマートリールラックがどのようなメリットをもたらしたのか、②どのようにして導入の検討が進められたのか。そして、③実際に何が導入の決め手となったのか、という3点についてご紹介いたします。
導入前の背景・課題と導入後の効果
背景・課題
- リールの入出庫、先入れ先出しが人依存の状態にあった。
- リールのピッキング時間を短縮し、作業の効率化を図りたかった。
- ラックの効率化を図りたかった。
効果
- リールのピッキングミス、収納ミス“0”を実現
- ヒューマンエラー根絶による実不良ロス“0”を実現。
- 新人作業者のリールピッキング時間が従来の1/6となり、ベテラン作業者との経験差による作業時間差“0”を実現。
- 先入れ先出し管理の自動化に成功。
- フリーロケーションでラック設置スペースを1/3削減に成功。
- 作業の簡易化によって「作業に対する精神的負担が減少した」という声が生まれた。
課題解決までの道のり
背景
特殊精機様では、かねてより作業効率の向上を目指し、カイゼン活動に積極的に取り組まれていました。そんなカイゼン活動の一環で、ラックからのリールのピッキング作業効率化に注目。作業効率の向上を図るため既存ラックの改修を考えられていたそうです。
そこで当社からスマートリールラックの試験的導入を打診させていただき、特殊精機様で想定されていたラックの改修イメージに合致していたこともあり、運用をスタートすることとなりました。
なお従来方法では、下記のような管理がおこなわれていました。
【入庫時】
【導入前の管理方法】 ・リールはクライアント毎/部品毎にカゴで分けて管理。 ・部品の数が多い場合はラックへのラベルの貼付やカゴの細分化で管理。 ・ピッキング時は目視でリールをひとつずつ確認しながら探す必要があった。 ・使用直前で誤ピッキングに気付く場合もあった。 |
提案
使用感をご確認いただくためにも、まずは通常仕様でのご提案をいたしました。
現在は、ヒアリングを通じて明らかになった詳細な課題を解決するために、ソフト面とハード面の両方でお客様のニーズに沿った独自カスタマイズにも順次対応を予定しています。
スマートリールラック®とは スマートリールラック®は、電子部品収納ラックをデジタル化し、ラックに個々の電子部品位置情報を持たせることで、従来のリール管理の作業性を大幅に向上させる新しいラックシステムです。 出庫対象電子部品リールの場所をLEDが点滅することで快速入出庫を可能にし、これまで時間を要していた入出庫作業時間を短縮できます。 また、電子部品リールのデータをシステム管理し、先入れ先出し(FIFO)をサポートします。加えて、フリーロケーションで入庫できるため、倉庫の省スペース化にも貢献します。 ▼スマートリールラック®詳細についてはこちらからご確認いただけます。 |
課題解決に向けたポイント
従来方法においても、ラベルの貼付やカゴの細分化など、工夫はすでにおこなわれていました。しかし、部品知識や作業経験は一朝一夕で身につかないため、属人性を低減して“誰でも同じ結果をもたらせる環境の整備”が課題のひとつと見受けられました。
スマートリールラック®は、LED点灯によってリールの保管場所を視覚で、感覚的に理解できます。これによって、一人ひとりの知識・経験といった能力差に依存しない作業が可能です。実際に、下記のようなポイントでご納得いただけました。
【ご納得ポイント】
・フリーロケーションで管理できるため、ラック細分化の手間が不要となること。
・バーコードを読み取るだけでラックの該当リール箇所でLEDが点灯するため、探す手間が不要となること。
・ピッキングは古いもの順で案内されるため、先入れ先出しが自然とおこなわれること。
・誤ピッキングは赤灯LEDとアラームで即座に認識できるため、ミス予防につながること。
このようにスマートリールラック®は、「考える」/「探す」行為を自動化できることで、人に依存しない安定的な運用を可能とします。
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また、 上記に加えて特殊精機様では独自のスマートリールラック®活用もおこなわれていました。その活用事例を一部ご紹介します。
【オリジナル活用例】
・定形外部品をスマートリールラック®で管理する方法
<事前準備>
(1) スマートリールラック®に入庫不可な特殊部品を特定の場所に保管(例:吸湿素材→防湿庫)
(2) 空リールと(1)の部品を紐付けてバーコード発行
(3) 空リールに(1)の部品の保管場所をラベルなどで貼付
<運用時>
(1) 該当部品が必要となった際、空リール部分のLEDが点灯
(2) オペレーターは空リールを確認し、特殊部品と認識できる
管理運用のデジタル化を最大化するため、特殊部品もスマートリールラック®を通じて間接的なデジタル化に成功した好事例としてここにご紹介させていただきます。
評価いただいたポイント
導入にあたり、下記のようなポジティブなご評価をいただいております。
【共通の観点から】
・ヒューマンエラーによるリール入出庫時のミスを“0”にできた。 ・ピッキングミス撲滅によって実不良ロス“0”が実現された。 ・通常ラックでの管理に比べてスペースを1/3削減できた。 ・収納場所の引き継ぎが不要となり、労働時間の効率化にも成功した。
【オペレーションの観点から】 ・新人作業員のピッキング時間を従来の1/6まで短縮できた。 ・ピッキング作業における新人 – ベテラン作業員間の経験差を“0”にできた。
【部材管理の観点から】 ・フリーロケーションのため部品量によって棚レイアウトを都度変える手間が不要になった。 ・先入れ先出しがシステムでおこなわれるため収納順・収納場所を考えなくて良い。 |
上記に加え、スマートリールラック®使用にあたって別途リールの入れ込み作業が発生する点や、リール幅等の問題からスマートリールラック®での管理が難しいものもあるといった貴重なフィードバックもいただきました。
このような課題においても、より多くのお客様に最大限の効果を提供するために、カスタマイズによる調整などを通じて更なる価値提供へと繋げて参ります。
まとめ
★直感的運用で、ピッキングミス・ロス・作業員間の経験差“0”を実現!
★フリーロケーションとLED点灯による作業簡易化で作業ストレスの軽減に貢献。
★通常ラックに比べて1/3のスペース削減にも成功。
スマートリールラック®は導入後、運用状況に応じてラックの追加およびソフトの改修(機能追加)が可能です。実際に、投資額を抑えたSmall Startをご希望のお客様に多くのご好評を頂いております。
そのため投資額を抑えたSmall Startをご希望のお客様に多くのご好評を頂いております。
在庫管理につきまして、「まずは話を聞いてみたい」「今の課題を解決できる方法がないか相談してみたい」というお客様は、「お問い合わせ」からお気軽にご連絡ください。
また本事例の内容をまとめた動画もご覧頂けます。2分程の動画となっておりますので、是非お気軽にご覧ください。
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